ちょっと怖かった車の中での面接
今まで色々な仕事をしてきているので、面接も何度も体験しています。
ほとんどは、あまり印象に残らず緊張したとか、気さくな面接官だったなど取り立てて印象には残りませんが、一度だけ本当に驚いてしまった面接がありました。
最終的にはなんでもない、一般的な面接でしたがその時は少し怖かったです。
小さな食堂の面接
それは、パチンコ屋さんの横にある小さな食堂の面接です。
主に近所の会社の社員が昼休みに食べに来たり、パチンコのお客様が毎日食べにくる気軽な、値段も安いような定食屋さんです。
そこでパートとして働きたくて面接に行きました。
小さなお店ですのでどうやら休憩室が確保できないらしいのです。
面接当日、お店を訪ねていくと、「社長が来ているから駐車場に行って」と先輩になる社員さんに言われました。
「外?」と思いながら出ていくと一台の黒塗りの外車が停まっていました。
私はとても庶民なので外車など乗ったことがありませんでした。
黒塗りの車の中で面接
その外車の窓が開いて「乗って」と言われました。
中から顔を出したのはいかつい感じのごつい感じの強面な感じの普通じゃない感じのサングラスを頭にのせているスキンヘッドの典型的な怖い感じのする人でした。
「怖い…乗りたくない…」と思いましたが、呼ばれてしまったので恐る恐る車の中へ乗り込みました。
この瞬間「やばい、間違ってとんでもない車に乗ったのでは?」とか『悲鳴を上げて逃げたほうが良かったのでは?」とか「ほかに駐車場には誰もいないし、この人しかいないから間違っていないよね。」などいろいろ頭に浮かびました。
その強面の人は「初めまして」と満面の笑顔で挨拶してくれました。
「お店はとても狭くて面接はいつも車の中なんだよぉ」と明るくさわやかに親しみのこもったいい人全開のバリバリの笑顔でした。
この瞬間とても安心しました。
ホッと、それまで硬直していた全身がほぐれていくのを感じました。
社長はとてもがっちりした体つきでしたので、外車の中でさえせまそうでしたが、なるほどあの店内では向かい合って面接できる席はありませんでした。
話してみるととても優しい、柔らかい印象でしたし、無事にこのお店で働くことになったのでした。
社長のイメージだけで怖がってしまって本当に申し訳なかったと思いましたが、シチュエーションと言い風貌と言い、十分怖がる要素はあったと思います。
本当に印象深い面接の思い出です。