40代半ばで初めて味わった派遣の待遇
私は40代半ばで会社をリストラされました。
20代や30代ならまだしも40代半ばでの失業はかなりきつかったです。再就職をするにも、これほどの高年齢であれば、それだけで門前払いとなってしまいます。
仕方なく、いろいろな方に相談した結果、派遣会社に登録して斡旋してもらうことにしました。
私はそれまで総合商社でバリバリ働いてきましたが、そのキャリアを活用できるような仕事は見つかりませんでした。
総合病院の医療事務の仕事
そんなある日、紹介されたのが、総合病院の医療事務の仕事でした。
私は医療事務の知識などまるでありませんでしたが、家族の生活のこともありましたので、わらにもすがる思いで引き受けることにしました。
私以外、全員女性の職場
そしてドキドキしながら初出勤したのですが、行ってみてびっくりしたのは、職場が私以外、全員女性であったことです。
これには参りました。
周囲も私に遠慮してなかなか話しかけようとはしてくれませんでした。
まして若い女性事務員にしてみれば、私のような中年世代の男性が同じ部屋の中にいるだけで、違和感を感じるでしょうから、最初のうちは、なかなか打ち解けられませんでした。
ミスを連発し周囲に迷惑
そして、実際の仕事も、私にとっては全くのアウェーでしたので、ミスを連発し、周囲に迷惑がられてしまうなど、本当になじめませんでした。
職場は、正社員もいれば私のような派遣社員もいました。
派遣社員の待遇
派遣社員の立場というのは初めての経験でしたが、待遇はやはり劣悪なものでした。
まず、ボーナスが出ません。
もちろん正社員は出ます。
さらに驚いたのは、交通費が派遣社員の我々は支給されないのです。
私の自宅からこの病院までは電車で片道1時間半ほどかかりますので、交通費もそこそこかかりました。
しかしそれも全く支給されないというのは、ボーナスが出ない以上にきついものがありました。働いて収入を得ても交通費で多くが消えてしまうからです。
そのため、一体、何のために働いているのかよくわからなくなった時期もあります。
それでも家族を養っていくためには仕方なく毎日遠くの病院に通って、慣れない仕事をしていたのです。
本当につらい毎日でしたが、2年ほどで近所の職場で仕事を見つけることができ、現在は新天地でやりがいを見つけて働いています。