短期の派遣でも辛かった支払いの督促業務
数年前に初めて派遣会社に登録した際、すぐに単発の仕事を紹介されました。5日間だけの仕事で、携帯電話の料金未払い利用者に対して、支払いの督促電話をかけるといった仕事内容でした。
話しを聞いた限りでは特に大変な仕事ではなさそうだし、万が一何か辛いことがあっても5日間だけなら耐えられるだろうと思い、その仕事を受けました。
容赦ない罵声、逆切れ、脅迫
仕事中はデスクに座り電話をかけ続けるだけで、難しいことを覚える必要はありませんでしたが、その代わり、督促電話をかけた料金未払い利用者の多くから容赦ない罵声を浴びせられるのです。
何らかの事情で期限までに携帯料金を支払えないのか、もしくは意図的に滞納しているのかはわかりませんが、おそらく料金未払い者の多くは自分自身に対して引け目を感じていて、そんな時に支払いを催促されることで責めらたような気分になり、いわゆる逆ギレをしてしまうのではないかと思います。
その気持ちは理解できなくもないのですが、電話で相手が見えないのをいいことに暴言を吐いたりする行為は、人間として如何なものかと思いましたし、このような人が世の中にこれほど多く存在するという現実に悲しい気持ちになりました。
一日に数十人もの人に怒鳴られ、突然電話を切られたり、時には脅迫まがいの発言をする人もいて、いくら仕事だと割り切ろうとしても、普通の人間では精神的に参ってしまうのは当然だと感じました。
電話番号をプッシュする時に手が震えてしまったり、相手が電話に出るまでコール音を聞いている間は、また怒鳴られるのではないかと心臓がドキドキしたり、腹痛や吐き気を催すこともありました。
3名が契約期間前にやめてしまった
私は最終日まで働きましたが、同時に派遣された数名のうち3名が、5日間の契約期間を待たずに辞めてしまいました。
辞めたいと申し出た時に派遣会社からは厳しい事を言われたそうですが、こういった業務が苦手な人には1日でも耐えられないでしょうし、辞めていった人達の気持ちは痛いほどわかりました。私もその後しばらくの間、電話恐怖症に陥ってしまいました。