リストラ社員で構成されている会社への派遣
辛かった派遣の仕事といえば、極度に人間関係が悪かった職場への派遣です。
仕事内容や勤務先の場所は派遣前にいくらでも確認できますし、まったく新しい仕事や未経験というわけではないのである程度のイメージがつきます。
不明なところは派遣先の担当の方と顔合わせの段階で話をすればほとんどは解決しますし、それほど大きな問題になりません。
ただ、勤務してみなければわからないのが職場の人間関係です。
リストラ対象の社員だけで構成された子会社
これまでで一番辛かったのは、リストラ対象の社員だけで構成された子会社への派遣でした。
顔合わせ直後に採用が決まり、すぐに勤務できたのはよいのですが、初日に派遣先の上司から「ここはリストラ社員のたまり場」「いずれ会社はなくなる」「人間関係が悪い」と直接言われ、同じチームのメンバー(ほとんどが派遣社員)には「3日で辞めた派遣社員がいる」「暴言、セクハラ、ハラスメントが多い」と聞かされました。
せきを切ったように内情を聞かされましたが、現実はそれ以上でした。
勤務して2日目から上司に暴言を吐かれ始めたので、すべてメモとICレコーダーで記録にとりました。
見事なほど、表の顔と裏の顔がある上司でした。
仕事中に音楽を聴いている社員、ほかの従業員がいる前でハラスメントが行われても傍観する社員、女性派遣社員へのセクハラ、社員同士のケンカ、コピペができないパソコン嫌いの社員、人事部からの呼び出しを目の前で見せられることもありました。
また、人事上の配慮で作られた関連会社ですからそもそも仕事がありません。
お情け程度の雑務がありますが、何よりも仕事の品質が悪く、派遣社員も日に日にモチベーションが下がる一方です。
しかも、その雰囲気が会社全体に広がり、伝染していきます。
毎月おこなわれる派遣社員の送別会
毎月のようにおこなわれる派遣社員の送別会も、本当に辛いものでした。
そのような会社の状況で派遣社員を採用し続けるのには理由があるようでしたが、何よりも派遣社員への時給が破格の額だったのには驚かされました。
求められるスキルもあり、経験が必要でしたがスキルのブラッシュアップには程遠く、時給が高額でなければすぐに退職していました。
リーマンショックのあおりがあったために1年半ほど勤務しましたが、もっとも辛かった派遣の仕事でした。