単発パソコンインストラクターの派遣の体験談
かなり以前の話になりますが、会社を辞めて初めて派遣の仕事に登録をした時のことです。単発のパソコンオペレーションのインストラクターという仕事でした。
10代~30代までの女性ばかりが集められローテーションを組んで東海3県のある企業の支店を回るんです。
1人か2人で午前2時間、移動時間に余裕があれば午後も2時間、1日に1件か2件のインストラクションをこなす仕事です。
田舎の小さな支店を割り当てられることもあれば、街中の大きな支店に赴くこともありました。
行く先々でちょっとしたトラブルが起こることもあるし、ちょっとした喜びに出合えることもあります。
それは派遣ならではのプチ体験とでもいうものでしょうか。
出先の仕事なので助けてくれる人がいない
特に仕事中にトラブルが発生した場合には冷や汗ものです。社内で仕事をしている場合は、トラブルが発生しても近くにいる誰かに助けてもらえる可能性がありますが、派遣で他企業に出向した場合、頼れる人はペアを組んだもう1人の派遣社員だけ。
といってもパソコン操作の説明が始まってしまった本番中に待機しているもう1人にSOSを発するのはご法度。
パソコンにトラブルが発生してフリーズしたり、企業の担当者に難解な質問を投げかけられて一瞬顔がこおりつき冷や汗ダラダラということも。
でも自分の判断でうまく乗り切るしかありません。途中で困り果てて黙りこんでしまうよりは曖昧な説明でも最後までやりきる方針でなんとか切り抜けられましたが、今思えばまだ現在ほどパソコンの性能が発達していなかったことと、企業にパソコンの知識が豊富な人があまりいなかったのが幸いしたかなという感じです。
派遣ならではの小さな楽しみには行く先々で出会う個性ある人たちとの会話があります。
この仕事で印象に残っているのは、ある支店の中堅担当者に言われた「あなたたちの会社は美人ばかり揃えているみたいだね」という一言です。
今ならセクハラまがい(?)と受け取られかねない発言ですが、当時の私たちにはちょっとした持ち上げ言葉となりました。
思わずもう1人のインストラクターと顔を見合わせ失笑。
たぶんお互いに「そっちはイマイチなのに、お世辞みえみえ」と思っていたことでしょう。もうひとつの楽しみは派遣先の近くで見つけるお店。
路地裏で見つけた寂れた小さな喫茶店でコーヒーを飲んでほっとする時間がなんとも言い難い幸せなひとときでした。