DTPオペレータで契約社員として働いたM.Nさん体験談
印刷業界でDTPオペレータとして働くために一番大切なのは「センス」。DTPオペレータのお仕事を契約社員として2年半経験したM.Nさん(女性47歳)体験談。
M.Nさんが行っていたDTPオペレータの仕事内容
MacによるDTP業務では難しいとされるWindowsデータの変換・編集・アクセスによる作業プログラム制作及びMacとの連携作業、WindowsによるDTP業務(チラシ・ポスター・書籍等の作成)を主に行っていました。
制作部に所属していましたが、Windowsに対する知識を持たない従業員が多かったため、PCの設定・サポート・管理は全て担当していました。
デザイナーがクライアントの指示に従って作成した簡単な手書きラフを元に、画像編集・配置・テキスト打ち・帯デザイン・タイトルデザイン・広告デザインを行い、営業担当と連携しながらクライアントとの打ち合わせを入れて印刷物としてフィルム出力(オフセット印刷用)まで行うのが主な日常業務でした。
その仕事をしながら、Windows関連業務も同時遂行しなければならない場合もありましたので、残業は非常に多かったと記憶しています。
今もDTPオペレータを続けていますか?
病気のため入院・手術・リハビリのため長期休暇をとりましたが、その間に親会社から切り離されて経営不振に陥り、会社が倒産してしまいました。
辞めたというより、休んでいる間に会社がなくなってしまいました。
DTPオペレータを2年半やってみた感想
本格的なデザインを学びながら仕事するのは初めての経験だったので、毎日が新鮮で刺激的であり、仕事をするだけで楽しいと感じていました。
最初のうちはスキルを高めるために経験しようと思って入った印刷業界でしたが、それまで知っていた知識とは全く違う印刷技術を経験する事ができ、使用期間中の早い段階で上司から認められ、この会社初となるWindowsチームのチーフ候補として採用された時は本当に嬉しかったです。
上司と相談しながらMacとの間にある壁を一つずつ越えていく達成感にやりがいを感じました。
しかし、数か月くらいはMac技術者からの反感の目が大きく、重圧に耐えられなくなりそうになった事もあります。
デザイナーはMacが主流だった会社なので仕方のない事かもしれませんが、部署内の上司や同僚全てを納得させられるようになるまで半年以上かかりました。
これからDTPオペレータとして働きたい方へ
印刷業界でDTPオペレータとして働くために一番大切なのは勉強や努力ではありません。
これは私が後輩を育てる時に気付いた事ですが、デザイナーに一番必要なのは「センス」です。
たとえラフがあっても、その後はPC上でデザインしていかなければなりません。カラー構成・全体的なレイアウトからクライアントの要求に応じたデザインの変更に柔軟に対応して印刷物を仕上げるまでを行うのがDTPオペレータの仕事である場合が多いです。
どんなに勉強や努力をしても、他のデザイナーのマネをしようとしても、本人が持っているセンスは必ず影響してきます。
無理をして頑張って仕上げてもクライアントからダメ出しをされるようなものしか作れない人もいます。この職種は決して楽ではありませんし、センスも求められ、無理難題なデザインを要求される事もよくあります。
ですから、デザインが好きで、ある程度のデザインセンスがあり、自分を向上する努力が出来る方に向いていると思います。