特定派遣社員としてテストエンジニアを体験したS.Nさん
テストエンジニアのお仕事を7年間、特定派遣社員として経験したS.Nさん(男性32歳)です。特定派遣ということで、数年単位で職場を変えなくてはならないので辞めました。
テストエンジニアの仕事内容
発売直前の客先製品を実際に使用し、正常に動作するかを確認するシステム検証が主な業務内容でした。
製品は主に家電製品で、特にテレビ番組を録画・再生する機器の仕事が主となっていました。
確認する動作としては、正常にテレビの信号を受信し、表示されることから、機器が表示させるインターフェースの表示内容、また録画動作の確認、ネットワーク使用機能の確認まで多々ありました。
また、それらの動作確認の手順や内容などの項目の作成も担当していました。
項目作成と実施が中心でしたが、1人だけの判断で進めることは決してなく、必ずチームで動き、またその製品の開発者のチームに意見をもらったり、レビューを行って意見や考え方の違いを埋めるようにしていました。
今も特定派遣社員としてテストエンジニアを続けていますか?
退職しています。
特定派遣ということで、数年単位で職場を変えなくてはならず、人間関係の構築が難しく、個人的な考えとして一つの場所で長く働きたかったため、退職を決意しました。
テストエンジニアの仕事で楽しかったことや苦しかったこと
楽しかったこと:
・実際に発売される、最新の家電がすぐに触れられること。
・またよくないことではありますが、テレビ放送をテストに使うので、休憩時間や空き時間などにテレビを見ることができていました。音声はイヤホンで聞けました。
苦しかったこと:
・作業量が非常に多く、どうやっても勤務時間が長くなる。テレビ画面とデスクに長時間向かうため、体調不良になりやすい。
・特定派遣という立場上、長期間の勤務は不可能で、気に入った職場でも数年で離れざるを得ない。それに伴って新しい人間関係をそのたびに作らざるを得ない。周辺も同様の会社から派遣されたメンバーばかりなので、そのことは全員周知しているせいか、非常に人間関係の構築に希薄であった。
これからテストエンジニアとして働くことを考えている方へ
業種にもよるかと思いますが、派遣先製品に触れる場合はそれ自体が企業機密となる場合が多いので、情報セキュリティなどのコンプライアンスの順守は必要不可欠です。
おそらくはそのお客様のところに同じ会社から派遣された多数の社員が派遣されているでしょうから、自分のミスがその多くの仲間の足を引っ張ることにもつながります。
最悪の場合は取引停止になり、数百人単位で解雇されたという話も聞いたことがあります。
自分はお客様に仕事をいただいているのだという心構えが重要ではないかと思います。
ただ、最先端の技術を様々な企業で直に触れられるというチャンスを得られるという面では、期間限定というリスクに振り回されるとしても、それが苦にならなければ魅力的な仕事ではないかと思います。