ゼネコンの営業のお仕事を正社員として経験したフトシさん
ゼネコンの営業のお仕事を約7年半、正社員として経験したフトシさん(男性45歳)の体験談。
ゼネコン営業の仕事
主に民間の建築工事を受注する仕事です。
顧客は、「1.デベロッパー」「2.メーカー」「3.個人事業主」でほぼ9割以上でした。
1.デベロッパーは、マンションの分譲業者で、土地情報を欲しがっています。
こちらで適当な土地情報を得ると、自社の設計部にラフプランを描かせて概算見積もりと一緒に事業収支の簡単なプレゼンを提案します。
デべがそれで採算があうと判断すれば建築工事を発注してくれる、というものです。
2.メーカーに関しては、ビル・工場などの新築や建て替えなどの情報を得るために、ひいきの設計事務所や金融機関などに営業をかけて情報を得ます。
3.個人事業主の場合は金融機関か人づてが大きな情報源ですが、場合によっては情報紹介料などを仲介者に支払う場合もあります。
今もゼネコン営業の仕事を続けていますか?
現在はこの仕事をしていません。自分で商売をするために辞めました。
ゼネコン営業の仕事で楽しかったことなどエピソード
楽しかったことの一つは営業エリアが特に決められていなかったので、関東一円が全て営業範囲であり、実に様々な土地を見て回ることが出来たことです。
就業していた間に20件ほどの物件を受注しましたが、受注に至らない、土地情報の確認のための現地調査などを含めると優に300を超える物件を見聞できました。
都心の一等地や茨城の山奥から横須賀のリゾート物件まで実に様々な場所を訪れることが出来ました。
苦しかったことはやはり営業のノルマです。
年間の受注金額が科せられるのですが、営業マン一人当たりに換算すると7~10億程度になります。
時には隣の営業部と同じ物件を追いかけているような場合もあったりして、部長同士の話し合いで金額を折半するような場合もありました。
これからゼネコン営業の仕事をしたいと考えている方へ
東京オリンピックや景気回復を背景として建設業界は今後数年~十数年は好景気が続くかのように言われますが、ビッグプロジェクトはほとんどメガゼネコンによって占められています。
そして工事現場での人手不足から、人件費は高騰することでしょう。ゼネコンの宿命として、協力業者がついてきてくれなくては仕事は受けられません。
そのためには業者への支払いの増大によって工事費がアップすることが大いに懸念されますが、長らくデフレを続けてきた日本経済にとって工事費が増大することによって受注のチャンスを逃す可能性はかなり多くなることでしょう。
現場努力で工事費を下げる以前に、見積部と営業部で緊密に連携を取り合い、戦略的な営業を勧めていく必要があります。