派遣社員の方が「安全なのでは?」と思うことも
派遣社員として、ずっと働いていた者です。
それ以前は、ずっと正社員として働いていて、派遣社員となる事には抵抗を感じていました。
やっぱり「不安定」という印象があった為です。
正社員であれば、担当中の仕事が終わっても、次の仕事が会社により与えられて、就業は継続します。
しかし、派遣社員の場合、基本的には期間の定めがあります。
契約した期限が来れば、その仕事は完了となり、次の仕事を探さなければなりません。
上手く仕事が見つかれば良いのですが、それまでは「空き」となって、無収入の期間ができてしまいます。
独身ならば貯金で食いつなぐ事もできますし、その間に旅行に行くなど、いろいろと楽しい事もあると思いますが、家族が居るとそうは行きません。
やっぱり、切れずに仕事があって、毎月、収入が得られた方が安心なワケです。
しかし・・・。
正社員の方が危ない?
「正社員がそんなに安定しているのか?」と言われると、そうとも言えなくなって来ました。
と言うか、逆に、「正社員の方が危ない」感じさえして来て、いっそ期間の定めがある契約社員、派遣社員の方が「安全なのでは?」と思う様になりました。
自分はずっとIT業界で仕事をして来たのですが、元から仕事がキツいので有名な業界です。
無理なスケジュールの元で、突貫作業を強いられる事もあります。
また、現場の責任者に、プロジェクトの失敗の責任を負わせる事も良く有ります。
こういった「誰もやりたくない仕事」から、正社員は逃げる術が無いワケです。
正社員はなかなか逃げれない
ここで、「期間の定めが無い」というメリットが、逆にデメリットになってしまうワケですね。
自分達派遣からすると、正社員の人は「逃げることができない」という感じです。
無論、収入という点では、正社員の方が安定していますが、体を壊したのでは何にもなりません。
下手すると精神を病んで、就業そのものができなくなります。
そうなる前に、会社を辞めれば良いのですが、責任感が強い人ほど、そういう事には抵抗を感じます。
会社側も、「全てを任せていた」現場責任者が辞めると言っても納得はしないでしょう。
下手をすると、後から「お前が辞めたせいでプロジェクトが頓挫した。全てお前のせいだ」などと言われかねません。
・・・と、言ってみれば「残るも地獄、辞めるも地獄」的な、泥沼が待っているワケです。
少なくとも、こういった「失敗するのが目に見えている」デスマーチ・プロジェクトに関わるならば、派遣社員の方が「なんぼかマシ」と思う人は多いと思います。
2ヶ月とか3ヶ月とか、耐えなければならない「期間」が決まっていれば、なんとか肉体も精神も保つものです。
派遣と言う事で、保険などが無い分収入の額は大きいですし、期限が来たら契約を延長せずに終了すれば、自動的にその仕事とは縁が切れます。
無論、継続できそうであれば、継続すれば良いだけの話で、ある意味「自分にあった現場」を探す事もできるワケですね。
実際、契約社員、派遣社員として現場に配属され、その会社に気に入られて、正社員となった人も大勢見ています。
会社からの縛りが強い正社員に比べると、こういった部分の自由度も、派遣社員の方が高いと言う事でしょうね。
少し前までは就職難で、大学生の就活を見ていると可哀想なほどでした。
正社員にこだわりすぎるのも考えもの
皆、正社員を目標に頑張っていたのだと思いますが、確たる目標が無いのであれば、正社員にこだわりすぎるのも考えものだと思います。
「こんなはずじゃ無かった」とは、どんな会社に入った人でも思うものです。
「もっと、別な会社を見てみたかった」と後で後悔するくらいならば、派遣社員として就業してみて、収入を得ながら多くの会社を見て回る手もあると思います。
年齢が上がれば「正社員になって欲しい」という話は来づらくなりますが、若ければ話は別です。
ある種、「お見合い」的な考え方で、いろいろな会社を中から見てみるのも、適職を得る為の方策の一つという気がします。
何事も、両面から見る態度が重要です。
「安定している」と言う事は「別な状態に変わりにくい」と言う事でもあります。
派遣社員には、派遣社員ならではのメリットがありますから、それを活かす事を考えた方が有意義なのでは無いでしょうか?
逆に、正社員を目指す人は、それなりの覚悟が必要なワケで、事前に十分に検討すべきと思います。