派遣社員も同じ会社で働く仲間でいてほしい
正社員は立場の保証された安定の象徴とされ、派遣社員と言えば派遣村という単語が過去話題になったように将来の見えない働き方としてマイナスのイメージが付いて回ります。
しかし、派遣社員は視点を変えれば労働の選択肢として十分に価値のある働き方とも考えられます。
正社員の立場から見た派遣のメリットとデメリット。果たして安定という言葉だけが労働者の絶対的な水準なのでしょうか。
派遣社員のデメリットと問われれば、その不安定な労働事情でしょう。
先にも書いたように、派遣村という言葉や派遣切り、雇用の調整弁とも表現される派遣社員は、労働組合でさえ正社員の雇用を守る為に、真っ先に解雇するべき労働者として取り扱っています。
現実、一部の労働組合は有期契約社員の組合員化を掲げてはいますが遅々として進まないのが現状です。
不況が長引く現在、派遣社員をあえて守らないのは正社員立場では自分に大きなメリットですが、これこそが派遣社員にとって最も残酷なデメリットでしょう。
正社員と派遣社員は同じ会社で働く同業者ではありますが、必ずしも同じ利益を共有する仲間ではないのです。
では、雇用が守られない派遣社員の何がメリットなのか。
賃金を求めて惰性に働く選択をするのであれば、派遣という労働は将来最悪な結末を迎えるでしょう。
正社員では得難く、派遣社員に有利なこととは、自分が将来独立する為の投資としての働き方を選択できるということです。
ブラック企業、社畜に代表される日本の劣悪な労働環境。
会社は利益の為、自分の時間や生活も雇用を盾に企業は労働力を要求してきます。
正社員は毎月の給料を会社から振り込み続けてもらう為に、文字通り身を削って働かなくては行けないのです。
私はできない、契約とは違う、このような言葉は正社員には許されません。
正社員は、一定の安定を約束される代わりに、曖昧な契約のなかで自分の適正などおかまい無しに会社の都合で働くことを強いられます。
派遣社員メリットは働き方が正社員よりはフレキシブルに選択できます。
時短、残業0と労働契約で取り交わせば、ある程度その通りに派遣先の会社はあなたを働かせます。
もしそれを守らない会社であれば、あなたはそれを会社と交渉して改善させることも可能なのです。
派遣社員は安定を保証されていません。そのかわり、会社内の世渡りに必要なスキルにエネルギーを裂く必要がない分、将来に使えるスキルを多く吸収できます。
朝から定時まではライバルの正社員達と仕事を通して企業が持つ多くの技術やスキルに触れ、定時後は残業に明け暮れる正社員を尻目に退社し、自分の未来の為にその時間を投資する。
そして、独立して自分自身の安定を自ら作り出すのです。
ばかばかしいと思われるかもしれませんが、派遣社員が正社員と同じように惰性に労働していても将来の保証はありません。
30代40代の派遣社員が一人一人解雇を言い渡されるのを見るにつけ、強くそれを感じます。
正社員側が見る派遣社員のメリット、デメリットを書いてきました。
我々正社員が見る派遣のデメリットはすなわち正社員に取って自らを守ってくれる物であり、派遣のメリットとは、正社員や会社に取ってスキルや資産が奪われるデメリットになります。
正社員としては、派遣社員になる人は何も考えず、同じ会社で働く仲間でいてほしいのです。