結婚相手を探しに我が社に派遣を希望した女性2人
子供の頃から、勉強や普段の生活態度とか、頑張ってやっと入れた超大手一流企業。よくやった、と親戚一同から褒められました。
自分のやりたかった仕事で自分の働きたかった会社。
大手企業ということで、コンプライアンスや企業としての責任みたいなのも大きく、仕事を進めていくうえで、そのプレッシャーのようなものに押しつぶされそうになったことも何度もありました。
何年も働いていると、そのうちリーダー的な立場にもなり、今どきの新人さんを教えることもありました。
超就職氷河期に入社してきた今どきの新人さんは、本当に頭も良く、賢い子が多いです。
しかも、私以上に、やっと入社できたんだ、という自負が強く、その姿勢は仕事にも反映されていました。と、同時に何人かの派遣社員さんにも仕事をお願いすることがあり、教えることもありました。
新入社員と同じ年齢くらいの派遣社員さんと、大学卒業してから早8年ずっと派遣社員です、という2人の女性でした。
新卒の派遣社員さんは、就職活動がうまくいかず、結局派遣社員になったそうです。
派遣会社で基本的なPCのスキルを磨き、電話来客対応も習ってきた、とのことでした。
同世代ということもあり、正社員の新入社員ともすぐに仲良くなっていました。
大学卒業して8年間ずっと派遣社員の彼女は、派遣先を転々としていました。
何でもそつなくこなし、要領もいい方でした。
会社の親睦会
そんなある日、会社の親睦会でみんなで食事に行くことになりました。
部の男性社員も含め、総勢30人くらいの大所帯での食事会でした。
2人の派遣社員さんも参加されていました。
我が部はほとんどが独身男性社員です。
一流大学でのみなエリートばかり。
当然、独身女性社員は結婚相手を探そうと必死でした。
そして、その2人の派遣社員さんも同様に・・・。
派遣社員の2人はほっとかれた
しかし、独身男性社員のほとんどが、正社員の新入社員の女性たちに夢中でした。
新入社員の女性社員は、美人だし、育ちも良く、絵に書いたようなお嬢様たち。
しかも仕事もできるとくれば、男性社員がほうっておくわけがありません。
何とも居心地が悪そうな派遣社員さんで、かわいそうでした。
3か月後、2人派遣社員さんたちは契約を更新されませんでした。
理由は「相手にされないから。」と。彼女たちは結婚相手を探しに、我が社に派遣を希望したみたいでした。
後々、派遣会社の担当者に話を聞くと、彼女たちは派遣社員ということを隠し、わが社の正社員のフリをして、夜な夜なコンパに出かけていた、とのことでした。
派遣社員として大手企業で働いていると、自分がその会社の正社員に本当になったんだ、と勘違いしてしまう。何とも残念な話でした。