実際に自分でやってみないとわからない
自分自身で、正社員と派遣社員の両方を経験するまでは、やはり「思い込み」も強かった様に感じます。
今は事情が変わりましたが、昔は正社員は、安定している。
派遣社員は、一定期間で仕事が終わってしまう。
という考え方が一般的でした。
つまり、家族が居て「安定した収入」を連続して得る必要があるなら、「派遣ではダメ」と言う事です。
自分も、転職などで仕事を探す時はかならず正社員の募集に応募していました。
ただ、私の場合はIT業界ですので、正社員に対する負荷の大きさも無視できませんでした。
はっきり言ってしまえば、「無理」「無茶」な仕事が多すぎるワケです。
正社員は仕事を断れない
派遣社員であれば聞いていた内容と違うと言って、その仕事を断る事もできますが、正社員はこれができません。
また、もし無理して仕事をする事になっても派遣社員ならば、契約期間を延長しない事で、その仕事から合法的に抜ける事が可能なワケです。
一方、「逃げられない」立場の正社員は、なんとかその現場で耐えなければなりません。
無論、仕事が失敗に終われば、責められるのは自分です。
しかし、いくら一人で頑張っても無理なものは無理です。
どうせ失敗に終わるならば、「途中で逃げてやれ」と思うのは人情とも言えます。
突然、会社に来なくなる
逃げ場を失った正社員が、「突然、会社に来なくなる」のを、何度も自分の目で見てきました。
それは「無責任」と彼らを責めるのは簡単です。
しかし、彼らにだって家族が居て、子供が居るワケです。
無理な仕事で体を壊したり、精神を病むことになっても、会社は責任を取ってはくれません。
会社の方こそ無責任だ。
と言う彼らを責める事はできない気がしました。
昔も今も、派遣社員に対する正社員の見方は似た様なもので「いいよな、お前らは。逃げられて。」と言う意見が多くを占めています。
しかし、本当にそう思うならば、その人だって正社員を辞めて、派遣社員となる事は可能なはずです。
「正社員の良さ」を捨てられない
結局のところ、「正社員の良さ」を捨てられない人が、無いものねだりで文句を言っているだけです。
また、ある意味、屈折した「妬み」がある様に思います。
派遣の場合、社会保険等を会社が負担しない為、支払われる金額が正社員よりも多い為に、
「派遣は儲かる」と考える人も多い様です。
これは実際に自分でフリーとなって、確定申告をしてみれば判る事なのですが・・・決して儲かりはしません。
なにしろ「会社負担」がゼロで、全額自己負担となるワケですし、個人事業主扱いでゴッソリ税金を取られます。
金額的な事を考えるならば、正社員の方が「なんぼかマシ」なはずでしょう。
一方、「派遣の仕事は期間が来れば終わってしまって不安定だ」というもの思い込みに過ぎませんでした。
自分が派遣で働いた時は、何度も延長の依頼を貰い、結局は1年以上同じ場所で勤務しました。
これが実績となったのが、次の案件も複数紹介を受け、結局は、「仕事が無い」状態には、ほとんどなりませんでした。
やはり、実際に自分でやってみないと、本当のところは判らないものです。