派遣ワーキングマザーの立場からみた正社員
派遣社員という立場から正社員という働き方をみると、様々なメリット、デメリットが浮き彫りとなる。
女性、とくにワーキングマザーという立場からその違いを見たときに、下記のような違いに直面する。
安定、収入、長期休暇
まず、正社員でいることのメリットといえば、何よりも「安定」があることである。
契約期間が定まっている派遣社員に対し、正社員は基本的に定年を迎えるまで失業の心配は無い。
そのために、入社した会社でキャリアプランを描きやすいというのも魅力である。
また、給与に関しても時給制で働く派遣社員に比べると、月給制であり会社によっては賞与、家賃補助、企業年金などしっかりとしたバックアップを受けられる。
そして、何より働く女性にとっての魅力は、産前・産後休暇、育児休暇、育児中の時短勤務制度など、様々な会社のサポートが用意されているので、ライフプランが立て易いという点は、女性が正社員で働く最大のメリットといえる。
派遣社員であれば、大半の人が妊娠をすれば退職という選択をせざるを得ない。
また、子育てをしながら働くという場合に、派遣をサポートしてくれる環境をいうのは
十分ではないのが現状である。
同じ子供を育てる母でありながら、正社員の穴を派遣が埋めるというケースもたまに見られる。
見えない拘束
その「安定」とは引き換えに、「見えない拘束」に悩まされるのが、正社員のように思われる。
派遣社員は、契約期間が終わったらその会社と終わりのため周囲の環境が自分にマッチしなければ契約を終了したり、転職を選ぶことも出来る。
しかし正社員となれば、簡単にはいかない。
上司や同僚、部下、社風など職場環境というものが大変重要になる。
妊娠、育児に関しても、子育ての制度が充実している会社であっても、実際に周りに気を遣いながら結局利用できない、利用しづらいなどの悩みを抱える女性も少なくはない。
男性においても、育児休暇が認められているにも関わらず、申請や取得率が低いのは、周りの環境が許さない場合が多いのではないか。
長く勤める会社だからこそ、自分自身の居場所を確保できなければ、働く環境としてはかなり厳しい環境ともいえる。
女性の場合そのときの状況に応じて、派遣か、正社員か、働き方を変えることが出来やすいが、目先のことにとどまらず、その先どのように自分が仕事と向き合うのかをしっかり熟慮しなければいけない時代に生きているとつくづく実感する。